NEEWER NW-988
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そこで、ストロボを買い増ししなければいけないという必要は特になかったのですが、興味本位でNEEWER NW-988というのを買ってみました。(^_^;)
Amazonで見ると、Neewer® Triopo TR-988というのが出てきますが、届いたのはNEEWER NW-988でした。
スペックはAmazonのページをご覧頂きたいのですが、キヤノンで言えば580EXII並の機能が書かれています。
GN56、TTL、マニュアル発光(1/3ステップで1/128まで)、E-TTL対応スレーブ、オプチカルスレーブ(プリ発光対応あり)、ハイスピードシンクロ、後幕シンクロ、過熱保護機能、18-180mmのズーム、外部電源使用可、シンクロターミナル、など一通りの機能は揃っています。
Amazonを見ると、ワイヤレス調光でマスターにもなるように受け取れる記載がありますが、マスターにはなりません。
購入価格は、7,488円でした。
ほぼ同じような形をしたNW-565という、6,799円のストロボでもいいかな?と思ったのですが、NW-988は、1台でキヤノンのE-TTL、ニコンのi-TTLに対応しているというのに惹かれて、こっちにしてみました。
どうやって両社に対応しているのかというと、通常のストロボよりも接点が多いのです。
接点はこうなっていました。
こちらはキヤノン純正の580EXIIの接点。
キヤノン用に比べてNW-988の接点が多いのが分かります。
でも、私、ニコンのカメラは1台も持ってない・・・・(^_^;)
じゃ、なぜキヤノン用じゃなくてニコンも使えるやつを選んでみたかというと、接点がたくさんあるので、もしかしたらフジやパナソニックにもなんちゃって対応するんじゃないかと思いまして・・・・
(^_^;)
そっちの目論見は、まったく外れました。w
フジのカメラに付けてTTLモードで発光はしましたが、調光はしませんでした。(やぱりね。w)
じゃ、ま、取りあえずキヤノンで使えればいいかと、5D3+24-105で試してみると・・・・
24mmでは、配光が悪く周辺がかなり落ちます。
ワイドパネルを出してみると今度はなんか奇妙な配光ムラが・・・
そこで同梱されていたディフューザーキャップをつけてみると、まあなんとか使えるかな?というところ。
(このキャップは580EXIIにもぴったり収まります。)
NW-988は、もっとも広角側のズーム位置は18mmと表示されます。
そこではたと気がつきました。
このストロボヘッド、フルサイズよりもAPS-Cに適しているのではないかと。
そこでカメラを7D2に換え、レンズはタムロンの16-300を付けてみました。
試してみると、ヘッドのズーム位置18mm、24mmではまだ少し周辺落ちが気になりますが、ま、実用範囲かな?というところ。
35mmを超える望遠側では配光は問題なさそうでした。
TTL調光の精度は、580EXIIに比べて明るめで、特に望遠側はややオーバーかという感じ。
でも、私の印象では、580EXIIのほうがいつもアンダー目なので、NW-988のほうが明るめで適正という気もしました。
さて、筐体の比較をしてみます。
左がキヤノンの580EXII、右がNEEWER NW-988です。
NW-988も外部電源が使えるようになっており、接続するとフルチャージが1秒くらいに短縮されます。
ただしポートの形状はキヤノン用です。
ヘッド部分だけを比較してみても、NW-988のほうが長いのが分かります。
互いにズーム位置24mmにセットして比べて見ると、
18mmにセットしてみても移動はほんのわずかで、やはりフレンネルからは離れていました。
これが広角側で周囲まで光が届かない原因だと思います。
ですが逆に言うと望遠側ではその分580EXIIより有利になり、それによって180mmまで対応と謳っているのだと思います。
光量を実測しなかったですが、スペック上ではズーム位置180mmでGN56(サイトによってはGN58との記載もありましたが、大差ないです)とのことですが、集光によって得られるガイドナンバーがそれくらいということは、逆に言うとチューブのパワーはあまり大きくないということかも知れません。
さて、キヤノン、ニコン両対応ですが、EOSにセットすると、E-TTLと表示されます。(ニコンに装着するとi-TTLと表示されるようですが、未確認です。)
580EXIIのように連動範囲の距離表示などはありません。
右肩に見える音符マークは、ピー!というチャージ完了音が鳴るように設定していると表示されます。
デフォルトではオンになっているのですが、けっこー大きい音でうるさいです。(^_^;)
最初にスイッチ入れたときにビックリするくらいです。w
これはファンクション設定により解除できます。
この写真では分かりにくいですが、左下のフラッシュマークの下にあるのがチャージランプで、通常のストロボと異なり、チャージ完了の色はブルーでした。
過熱保護機能は、連続フル発光25発で動作しました。
動作すると音符マークの下あたりに温度計マークが表示されて、けたたましくピピピピピピ!!!と警告音が鳴り響きます。
この警告音は、チャージ完了音をオフにしていても関係ないようで、鳴らないようにする設定はないようでした。
ま、警告ですからその方が良いのでしょうが・・・・(^_^;)
警告音が鳴ったら、電源をオフにするか、電池室蓋を開けて強制停止させるかすれば収まります。
そして再び発光出来るようになりますが、間を置かずに繰り返すと今度は5発くらいで警告音がなりました。
通常使用では、そんなにフル発光させて使うことはないとは思いますが、日中シンクロで光量が必要なときは注意が必要でしょう。
でも、この点に関しては、ほとんどのストロボが同じくらいの能力だとは思いますが。
ただ、580EXIIの24mm側で連続フル発光を続けると、熱によってフレンネルレンズを損傷する場合があるのですが、NW-988は先端が長い分、フル発光を続けても580EXIIほど熱くならないように感じました。
ヘッドの先が長くなり、チューブがフレンネルに近づかないのは、熱対策もあるのかも知れません。
ハイスピードシンクロは、セットしてみると確かにカメラの同調最高速以上のシャッタースピードでも使えるようになります。
ですが・・・・
なんか急激に光量が落ちる感じ・・・・(^◇^;)
300mmで撮った写真なので、被写体までやや遠いということもありますが、室内で比較してみても580EXIIのFP発光に比較して、かなり弱かったです。
NW-988は、カメラの被写界深度ボタンを押してモデリング発光させる機能がありません。
なので想像ですが、ハイスピードシンクロできると言っても、パルス発光してないんじゃないかと思いました。
下の写真は1/500(f8,ISO100)で撮っていますが、これくらい近接しないと、ハイスピードシンクロの効果は出ないと思います。
さてさて、オンカメラで使っている分には、「まあ、通常使用なら使えそうかな?」と思ったのですが、オフカメラの方に、ちと問題が・・・・。
そこでETTL- IIのスレーブモードにし、580EXIIも同様にセットして比較しました。
トリガーは、7D2の内蔵ストロボです。
すると・・・・
(この写真は大型ストロボを使って撮っていますが、私の大型ストロボはプリ発光キャンセル機能がないので、本体が発光しているところは撮れません。なのでE-TTL IIで同調した状態を合成しています。)
E-TTL使用時は、ストロボのプリ発光がファインダー内で見えるのですが、ファインダーではNW-988も発光しているのが見えました。
ですが撮影してみると光っていないのです。
こういう状態。
肉眼で見ると2度発光しているように見えるので、プリ発光後の本発光が早すぎるのではないかと思います。
ファインダーで見えるプリ発光も、やけに強いように見えるので、もうその時に本発光してるのかも。(^_^;)
コマンダーをST-E2にしてみても同じでした。
とにかくE-TTL IIのワイアレスシンクロでは、まったく同調出来ませんでした。
ワイアレスシンクロのモードは、他のストロボの発光を受けて同調するS1、S2モードもあります。
S2はプリ発光に反応しないモードですが、こちらは正常に動作しました。
ただその場合はE-TTL IIは機能しないので、本体光量はマニュアル調整してやる必要があります。
下の写真はS1モードに設定して、大型ストロボと同調させたところです。
ということで、試しに買ってはみたものの、
「正常に動作しない機能がある。」
という理由で、返品することに・・・・・(^_^;)(^◇^;)(^0^;)
機能が不足なく動作する(弱いというのは別にして)ようでしたら、光量を実測したり、配光を実写したのを載せたりもしたのですが、不良があることが分かったので、それ以上やる気をなくし萎えました。w
E-TTL IIと互換があるなら、私が持っているキヤノン対応のラジオスレーブでも動作するのではないかと思いましたが、そちらもまったく動作しませんでした。
キヤノン仕様のNEEWER TT860(Godox V860と同じもの)も合わせてテストしましたが、TT860はE-TTLのワイヤレスでもラジオスレーブでも、正常に動作、コントロールが可能でした。
ということで、「フルスペックを謳っているストロボでも、やはり1万円未満は避けた方が吉」というのが私の結論です。(^_^;)